ゴルフスイングの基本って何?
ちょっと調べてみたけど、
色々あって迷うなー
効率良く上達したいんだけど・・・
ゴルフ理論を勉強すると、平気で
正反対のことが書いてあります。
ではどうやって基本を学べば
効率良く短期間で上達できるので
しょうか
今回はそういった疑問にお答えしたいと思います!
ゴルフスイングの基本とは
結論から申し上げますと、ゴルフスイングの基本とは、
①打ちたいところに打つために、クラブ(ヘッド)の軌道とフェイスの向きで、球筋を作ること。
②再現性を高めること。
となります。
いきなり難しそうですね
スイングの仕方の説明じゃないんだ
はい。
ご期待と違っていたらごめんなさい
でも、まずここを押さえておくと
後々、必ず役に立ちますので
ちょっとお付き合いくださいね
後でスイングの仕方もご説明します
<解説>
ふつう、ゴルフスイングの基本というと、
・クラブの持ち方(グリップ)
・構え方(アドレス)
・身体の動かし方(スイング?)
・個人的経験に基づくコツの伝授
こういったことを、先に教えているのが多いと思います。
一方私がまずお伝えしたいことは、
・「何を目的に、どう練習するのか?」を先に理解しておく
ということです。
(木で言えば、根っこや幹の部分の理解です。枝葉末節はその後でいいですよ、という意味です。)
ここで言う
目的=「打ちたいところに打つ」
練習=「理屈を理解し、(軌道とフェイスの向きを意図どおりにするため)型を利用する」
というのが私からのご提案です。
そして再現性を高める理由について。
そもそも、いつも同じスイングができるとすれば、「その通り道に球を置きさえすれば必ず当たる」という理屈が成り立ちます。
でも人間はそれ(いつも同じスイング)ができそうでできません。
だから球はいつも思い通りには打てないのです。
そこで再現性を高める工夫、練習が必要となるわけです。
「止まっている球を打つだけなのに難しい」のは、こういったこと(再現性の低さ)が理由の一つになります。
最初にとても重要なことをお伝えします。
練習をする時、常にチェックしてほしいポイントが2つあります。
①「この練習をすると軌道とフェイスの向きはどうなる?」
②「この練習は再現性を高めるために役立つか?」
ゴルフスイング作りのキーワードとしていつも意識されることをおすすめします。
<おすすめできる根拠>
私は仕事がら、32年間ゴルフを研究してきました。
雑誌、本、テレビ、DVD、VHSなど、量的には多くのみなさんより多いと思います。
(「皆さんより先に多くの情報を仕入れた人」と思っていただくと分かりやすいと思います。)
今はメーカーや会社の制限を受けない立ち位置なので、縛りがない分、かなり本質的なお話ができると思います。(何かをすすめないといけない立場ではない、ということです。)
単なる個人的な体験談ではなく、収集した知識から絞り出したものです。
また実際にお客様のスイングを計測器をとおして、数千件見させていただいた経験もあるからです。
「軌道とフェイスの向き」について
それではまず最初に理解していただきたい「軌道とフェースの向き」の理論をご説明いたします。
★軌道とは、ヘッドの通る道で、主に球の打出し方向に影響します。
ボールに対しどの方向からアタックし、どの方向に抜けるのかが大事で、3種類で考えます。
①ストレート(イントゥイン)
②インサイドアウト
③アウトサイドイン
下図をご覧ください。
ボールを上部から見た図です。
<解説>
・イントゥインは、ボールに対しクラブヘッドが内側から入り、打った後も内側に抜けるパターンです。打出し方向は真っすぐです。
・インサイドアウトは、ボールに対しクラブヘッドが内側から入り、打った後は外側に抜けるパターンです。打出し方向は右です。
・アウトサイドインは、ボールに対しクラブヘッドが外側から入り、打った後は内側に抜けるパターンです。打出し方向は左です。
★フェイスの向きは主に球の曲がりに影響します。
こちらも3種類で考えます。
①スクエア(フェイスが真っすぐ)
②オープン(フェイスが開いている=右に向いている)
③クローズ(フェイスが閉じている=左に向いている)
下図をご覧ください。
紛らわしくてごめんなさい。ちょっとご質問です。
Ⓐ
飛球線に対し、フェイスが直角なのが①②③です。(これはスクエアでしょうか?)
飛球線に対し、フェイスが開いているのが④⑤⑥です。(これはオープンでしょうか?)
飛球線に対し、フェイスが閉じているのが⑦⑧⑨です。(これはクローズでしょうか?)
Ⓑ
軌道に対し、フェイスが直角なのが②⑥⑦です。(これはスクエアでしょうか?)
軌道に対し、フェイスが開いているのが①④⑤です。(これはオープンでしょうか?)
軌道に対し、フェイスが閉じているのが③⑧⑨です。(これはクローズでしょうか?)
実はここが曖昧なもの(説明不足?)が多いです。
球筋を作るというお話(ポイント)ですので、Ⓑが正解となります。
例えば①は飛球線に対しフェイスが直角ですが、軌道に対しては開いているので、球筋はスライスになります。
以上、軌道が3種類、フェイスの向きが3種類で、9種類の球筋が作れることになります。
「9種類の球筋」と「軌道とフェイスの向き」の番号は、一致しておりません。
どういう軌道とフェイスの向きで、どういう球が出るのか、ぜひ一度、考えてみてください。
ちなみに回答はこうなります。
まずは打出し方向から考えてみましょう。
ⓐ右に打ち出す(上図①②③)にはインサイドアウトの軌道を利用するので「軌道とフェイスの向き」の③⑥⑨が候補となります。
ⓑストレートに打ち出す(上図④⑤⑥)にはイントゥインの軌道を利用するので「軌道とフェイスの向き」の②⑤⑧が候補になります。
Ⓒ左に打ち出す(上図⑦⑧⑨)にはアウトサイドインの軌道を利用するので「軌道とフェイスの向き」の①④⑦が候補となります。
次に曲がりについて考えてみましょう。
「9種類の球筋」①は右に曲げるので、ⓐの中でフェイスを開く必要がありますので正解なし。
「9種類の球筋」②は曲げない(真っすぐ)ので、ⓐの中でフェイスがスクエアな⑥が正解。
「9種類の球筋」③は左に曲げるので、ⓐの中でフェイスを閉じる③と⑨が正解。(但し⑨は実際はチーピンになる。)
「9種類の球筋」④は右に曲げるので、ⓑの中でフェイスを開く必要がありますので⑤が正解。
「9種類の球筋」⑤は曲げない(真っすぐ)ので、ⓑの中でフェイスがスクエアな②が正解。
「9種類の球筋」⑥は左に曲げるので、ⓑの中でフェイスを閉じる⑧が正解。
「9種類の球筋」⑦は右に曲げるので、Ⓒの中でフェイスを開く必要がありますので①と④が正解。(但し④は実際は大きなスライスになる。)
「9種類の球筋」⑧は曲げない(真っすぐ)ので、Ⓒの中でフェイスがスクエアな⑦が正解。
「9種類の球筋」⑨は左に曲げるので、Ⓒの中でフェイスを閉じる必要がありますので正解なし。
「9種類の球筋」①と⑨の正解はなしとなりましたが、勿論打てます。
①は、⑥をちょっとフェイスを開いて打ちます。
⑨は、⑦をちょっとフェイスを閉じて打ちます。
<追加のご説明>
軌道とフェイスの向きで、球筋はほぼ決まりますが、100%ではありません。
軌道よりフェイスの向きの影響が大きく出る場合と、打点がずれた時です。
例えば左に打ち出し右に曲がるスライスが出るスイングパターンだとしても、フェイスの開きが大きすぎると、真っすぐ、さらには右に打ち出してのスライスになります。
ただ考え方の基本をマスターしておく方が、確実に有利です。
「再現性を高める」について
<基本の考え方>
★リズム・テンポを一定にする
ゴルフスイングのベースを成す重要な要素です。
単純にこれが変化するだけでミスショットにつながります。
特にメンタルが大きく影響するゴルフにおいては、初期段階で意識すべき項目です。
詳しくは「ゴルフスイングはリズム・テンポがベース【メトロノームでの練習でミス激減】」を是非ご参照ください。
★型を覚える
軌道とフェイスの向きを作るには、クラブの動きと身体の動きを、型を利用し、再現性を高めていくのがおすすめです。
感性だけでできればよいのですが、実際問題、クラブや身体の動かし方が分からないと不安になります。
スイングの型について
★スイングの成り立ち(構成要素)
簡単に言うと上体の回転と手の動き。(腰や脚も動かしますが)(意外とシンプル)
ちょっと動いて確認してみましょう!
まずは身体を右左にねじってみましょう。ラジオ体操の要領で。(これが上体の回転です。)
次に手を動かしてみましょう。
一つ目は、剣道の面を打つ要領で上下に。
二つ目は、両肘を伸ばして胸の正面に、手はグリップを握る格好にして、右肘だけ曲げて右に手を動かし、正面に戻して、今度は左肘だけ曲げて左に手を動かしますます。(手を左右に振る感じ)
どうですか?
動き自体は簡単でしょ?
実際のスイングは身体のねじりを、前傾姿勢を保ったままします。
手は、実際には、今行った上下の動きと、左右の動きの間の動き、つまり斜めの動きをします。
ということは「色々な動きができてしまう状況にある」とも言えます。
これがゴルフスイングを難しくしています。
普通、上下に近い動きを縦振り、横に近い動きを横振りと言います。
よく「どっちがいいの?」の、議論の対象となります。
正確には「人により違う」「縦でも横でもなく、斜め」です。
基本となるスイング作り(7番アイアンを使用して)
7番アイアンで基本のスイングを練習しましょう。
(7番アイアンを使うのは全番手のほぼ真ん中になるためです。)
構え方(アドレス)
<手順>
①肩幅に足を広げ直立します。(いつもその幅になるよう自分にとって自然な感じがいいです。)
②お尻を後ろに引く要領で、股関節から前傾します。(お腹から前傾するとスエーを誘発しますので注意が必要です。)(首が下を向かないように注意します。回転運動の妨げになります。)
③膝はピンと伸ばさず、軽く曲げます。(曲げすぎると疲れた時の再現性に不利になります。)
④その体勢で手の力を抜いてぶらーんとすると、足と手の間に握りこぶし1個半前後のスペースができます。(この手の位置が実際にスイングした時の通り道になります。)
⑤その状態でクラブを握ればアドレスの完成です。
注意:手の位置は身体の中心(真ん中)ではなく、やや左になります。
グリップの握り方は「ゴルフ グリップの握り方【基本はニュートラルグリップだけ】」を
ボール位置は「ゴルフ ボール位置で迷わない、唯一の理屈!」をご覧ください。
バックスイング
<手順>
①クラブヘッド、左手、左肩の位置関係はそのまま、ワンピースで飛球線後方へ真っすぐ引きます。(手でひょいと上げるのはよくありません。)
しかし、この時上体の回転と完全に同調して動かしますので、結果として「真っすぐ引いてるが真っすぐ動いてない状態」となりますが、見た目は20~30㎝ほぼ真っすぐ動いているように見えます。)
この動作が、クラブの行きたい方向を決定づけます。
②手が右足の前を過ぎ、さらに進んでシャフトが飛球線と平行かつ地面と平行になったあたりから
上体の回転に同調しながら右肘だけを90°まで曲げていきます。
(同じタイミングで右肘は身体から徐々に離れ、最後は20~30㎝程離れる形となります。)
右肘の曲げとほぼ同じタイミングで、手首はクラブの慣性により、右手がボールを投げるような形に曲がり(コックされ)、落ち着きます。
トップ
フルスイングでのトップの型を覚えましょう
<チェックポイント>
・胸が90°回っている。
(あごの下に左肩が入るのが目安。)
(十分な捻転が飛距離を生む要素となります。)
(クラブヘッドを正しくインサイドから入れる確率を高めます。)
(90°で止める意識をもちます。理由は、何度もスイングしていると、身体が柔らかくなり、段々バックスイングが大きくなるのと、飛ばしたい欲が出てやはりこれもバックスイングを大きくしてしまいます。いずれも、再現性を欠くのが問題です。)
・腰が45°回っている。
(主に上体を捻る助けとなっています。)
・右肘が90°曲がっている。
(90°以上曲げるとクラブが身体の前から外れすぎ、クラブコントロールの難易度が上がります。逆に90°より少し大きい角度なら大丈夫です。)
(左肘は伸びた状態を保っている。ここで左肘が曲がると、インパクトでそれを伸ばすアクションが生まれます。もしくは曲げた状態から腕を緊張させて打つため、多くはボールがクラブヘッドの先に当たるミスショットとなります。)
・アドレスの時の前傾姿勢が保たれている。
(ボールから離れるのが不安で、頭がボールに近づきやすいので注意します。)
(ちなみに頭はバックスイングをとる時、若干右に回転し、上体の回転を助けます。)
・右足の股関節に体重がのっている感覚がある。
(背骨を軸に正しく回転運動を行えば、自然に体重は右に移ります。)
(意識的に体重移動を行う必要はありません。)
*なお、90°とか45°、平行などは、視覚的にチェックしやすく、再現性を高める上で効果的です。
トップでの手の型を簡単に覚える方法を一つご紹介します。
<手順>
①直立した状態で、胸の前でグリップします。
②両肘を伸ばします。
③左肘は伸ばしたまま、右肘をその位置で90°曲げます。(クラブが斜め右に上がっていきます)
④右手首をボールを投げる要領で曲げます。(コックをする)
⑤その状態で胸を右に90°回します。(あごの下に左肩が入る感じ)
⑥前傾をとって完成です。
ダウンスイング
ダウンスイングの方法はたくさんあります。
ただ共通した注意点として、「クラブから動かさず下半身から動かす」というものがあります。
おすすめの方法をご紹介します。
<手順>
①右膝を(自分から見て)左方向にほんの数センチ動かすことをきっかけにスタートします。
(若干体重が左に移ります。しかし頭は動かしません。カメラでシャッターを押す時、手ぶれしないような慎重さでするのと同様、目線がぶれないよう静かに保ちます。)
②ほぼ同時に、45°回っている腰を正面に向かって戻していきます。
③腰を戻しながら、(それに引っ張られるように)右肘をほぼ真下に下ろしていきます。(ボール方向に右肘を下すと、クラブがアウトサイドから入りやすいので注意してください。)
④腰が正面を向いたころ、胸はまだ右を向いていて、(胸と腰の角度差をそのままに回転すれば、自然とこの形になります。)手は腰の上あたりまで下りてきています。
(この形ができればほぼ確実にクラブはインサイドから入れれます。)
⑤そのまま回転を続け、シャフトが飛球線と平行かつ地面と平行になるポジションを通過させます。(下図①です)
バックスイングのところでご説明したのと同じポジションです。
(②だとインサイドアウト、③だとアウトサイドインの軌道になりやすいです。)
このポジションがとれると、球筋が劇的に安定しますので、ぜひマスターしてください。
⑥そのまま回転を止めずインパクトしていきます。
インパクト
「インパクトはアドレスの再現」と言われます。
しかしこの表現は、合っているとか合っていないとか言われたりします。
確かに理屈的には、アドレスに戻れば球に当たります。
しかし、インパクトは一瞬で、意識して形を作るのは困難です。
あえて型としてイメージするならアドレスから腰を回し、ボールを押す形が近いです。
結論としては、「インパクトは単なる通過点。逆に意識しないのがコツ」です。
一応、型のイメージを図でご説明します。
フォロー
クラブヘッドを低く長く出すのが基本です。
これを実現するために色々な方法が存在します。
ここでは私がお客様の試打計測で、頻繁に見られたパターンをご紹介します。
<解説>
これは両方が同時に起こることが多いです。
フォローで(というか球を打つ時に)腕に力が入り、腕が縮むと起こりやすいパターンです。
結局フォローが小さくなってしまうということです。
これはそもそも、腕力でボールを打とうとすると起きやすい症状です。
ゴルフスイングは手を振るのでしょうか?
それとも手は振られるのでしょうか?
ゴルフスイングはクラブを振るのでしょうか?
それともクラブは振られるのでしょうか?
どちらを意識しているかでスイングは全く別のものになってしまいます。
おすすめは後者「振られる」です。
「振られる」ようになるとクラブの遠心力が感じられ、フォローで腕は引っ張られるように伸ばされます。インパクト後一瞬は両肘とも伸ばされます。その後左肘、右肘の順でたたまれフィニッシュに向かいます。
少なくとも、多くのお客様が陥る上記の症状は、この考え方を取り入れ練習することで、高確率で直せます。
<フォローの型のチェック方法>
左手1本でクラブを持ちます。
インパクト直後にヘッドが通るべき位置にクラブヘッドをもっていきます。
左手の位置は動かさず、そこに右手をグリップします。
両肘が伸びているのを確認します。
この時おそらく右肩がやや低く前に出される感覚があると思います。
(打って終わりのスイングだとこの感覚は得られません。)
低く長いインパクトは右肩がよどみなくしっかり回っていく必要があります。
(インパクト辺りに右肩がとどまっていませんか?)
よく、プロゴルファーの優勝インタビューなどで「クラブを振り切ることだけを考えました!」というのがありますが、振り切るつまりフィニッシュまでしっかり振ると、クラブは加速しヘッドスピードが上がり、軌道とフェイスの向きも安定し、結果、球筋も安定するからです。
シンプルで効果的なチェックポイントです。
フィニッシュ
フィニッシュはスイングの結果が出るところです。
フィニッシュの形を見れば、どのようなスイングをしたのかが、ほぼ分かります。
なので色々な形のフィニッシュが存在します。
フィニッシュが決まるといい球の出る確率が上がるのは確かです。
型としては、(フルスイングにおいては)
・左足に体重がほとんど乗っていて、バランスが崩れない。
・上体はきちんとねじられ、右肩は90°以上回っている。
・シャフトは首あたりに斜めにまきつくように振りきられている。
以上が7番アイアンを使ったスイングの基本となります。
まとめ
- 目的を明確にしてから練習しましょう。
- 「軌道とフェースの向き」で球筋を作る仕組みを理解しましょう。
- 「スイングの型」を覚えて、再現性を高めましょう。
- 手の振り方ではなく「振られ方」の意味するところを理解しましょう。
今回は以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
32年ゴルフにたずさわり、実際のお客様をとおして得た「上達した人に見る3つの共通点」のお話。
ゴルフ人生を変えるほどの威力がありますので、ぜひご一読ください。
心おきなくゴルフが楽しめる世の中でありますように。
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