
傾斜地から打つ時って
ボール位置は普段と変えるの?

基本、真ん中で
いいんじゃないですか

ミスが出にくいように
工夫するといいですよ
こんな経緯の私から一番お伝えしたいことは「本当の基本は上達を裏切らない」ということ。
「速く(できれば安く)上達するための基本」を知りたい方はこちらをどうぞ!
傾斜地から打つ時のボール位置
ゴルフの傾斜地でのショットは、スイング軌道やインパクト条件が変化するため、ボール位置の調整が非常に重要です。
それぞれの傾斜に対して、基本的なボール位置とその理由を以下にまとめます。
⛳ つま先上がり(ボールが足より高い)
- ボール位置: 通常より やや内側(右寄り)
- 理由:
<詳しい解説>
つま先上がりではスイングがフラット(横振り)になりやすくなります。
スイングがフラットだとダウンスイングでヘッドが(重力で)落ちやすいためにダフリやすくなるのです。
フラットなスイングはインサイドからヘッドが入りやすく、勢いでアウトサイドに抜けるのでフック回転がかかりやすくなります。
短めに持つと極端にインサイドから振ることを軽減することが期待でき、クラブはしなりが抑えられ(硬くなる)、バランスも軽くなるので、フックがかかりにくくなります。
*バランスが軽くなるとダウンスイングでのヘッドの垂れが少なくなる傾向があり、そのためインサイドアウト軌道を緩くするという理屈です。
インパクトが早めになるというのは、ダフル=最下点が右にずれている、ということで、ボールを少し右に置いた方が芯に当たる確率が高くなるということです。
⛳ つま先下がり(ボールが足より低い)
- ボール位置: 通常より やや外側(左寄り)
- 理由:
<詳しい解説>
つま先下がりではインサイドにクラブが引きにくいためアウトサイドに上がる傾向があります。
そこから振り下ろすとアウトサイドイン軌道になりやすくスライスしやすくなります。
ボールが足より低い位置にあるためクラブが届きにくくなります。
しっかり振り抜くことでボールにクラブを届かせたいため、やや左のボール位置にします。
*ただ、つま先下がりにおいてのボール位置は「やや右」という説や、「いつもと変えない」という説もあります。
アウトサイドイン軌道の度合いなども影響するので、おすすめとしては素振りでの最下点の確認をし、そこに置くことをベースに考えて欲しいです。
斜度がきついと膝の曲げと股関節からの前傾を大きくする必要がでてきます。
⛳ 左足上がり(目標に向かって登っている傾斜)
- ボール位置: 通常より やや左寄り
- 理由:
- 体が傾斜に沿って右に傾きやすく、ダフリやすい。
- ロフトが寝るため、ボールが高く上がりやすく飛距離が落ちる。
- 少し左に置くことで、傾斜に沿ってクラブが動きやすくなる。
<詳しい解説>
体が右に傾きやすいというのは、クラブを振り下ろす時に斜度の影響を受けて右に倒れる感じになるからです。それで右肩が下がりダフルという流れです。
ロフトが寝るというのは、傾斜なりに立って打つことを前提とした場合に、当然平地よりはロフトが寝るという意味です。
*傾斜なりに立つ=斜面に垂直に立つ=傾斜に対して肩のラインがほぼ平行
*左足上がりの時のボール位置は、「センター」「センターより少し右」という説もあります。
このあたりは自分のスイングの最下点がどこに来るのかに関わるので、左に置くとクラブヘッドが届かない場合はセンター、センターでダフルようなら少し右に変化させるのがいいでしょう。
⛳ 左足下がり(目標に向かって下っている傾斜)
- ボール位置: 通常より やや右寄り
- 理由:
- 体が左に傾くので、打ち込みが強くなりやすくトップしやすい。
- ロフトが立ちやすくなり、低く出てランが多くなる。
- 少し右に置くことで、インパクトを早めにしてミート率を上げる。
<詳しい解説>
体が傾斜の関係で打つ時に左に傾くと重心が左にずれ最下点も左にずれます。
その度合いが大きくなってしまった場合トップのミスが出やすいということです。
*ただ実際にはダフリ、チョロ、スライスなどのミスも出ます。
左足下がりではボールを左に置くと届かなくなることが多いので、基本はやや右寄りとなります。
ただ右に置き過ぎるとロフトが立って球が全く上がらなくなることがありますので、その場合は真ん中あたりがいいでしょう。
✅ 傾斜地のボール位置まとめ(一覧表)
傾斜 | ボール位置 | 主な理由 |
---|---|---|
つま先上がり | やや右寄り | ダフリ防止・フック傾向対応 |
つま先下がり | やや左寄り | 届かせる・スライス対応 |
左足上がり | やや左寄り | 傾斜に沿ったスイング・高さ対策 |
左足下がり | やや右寄り | ロフト立ちすぎ回避・打ち込み調整 |
最後に
あなたが正しいスイングを身に付けているなら、地面に置かれたボールを打つ場合の基本のボール位置は「背骨の正面」です。
それは、左右対称の弧を描くイントゥインのスイングプレーンの最下点がそこになるからです。
*重心移動を使うフルショットの場合は、左への体重移動により最下点は左にズレるのですが、(特に斜度のきつい時)下半身をあまり動かさない重心移動のないショットにおいては最下点は背骨の真ん前なのです。
詳しく知りたい方は、
「ゴルフ ボール位置で迷わない、唯一の理論!」
「ゴルフ 「ボール位置と球筋の関係」の基本的な考え方」
をご覧ください。
自分のスイングの最下点にボールを置くことができれば、必ずボールにクラブヘッドは当たります。
ボールに当てにいくのではなく、スイングの中にボールをセットできるようになると、大きなミスは防げます。
ただ、正しいスイングが身に付いていない場合、例えば、アウトサイドイン軌道の場合は最下点が背骨の真ん前ではなく左にずれてしまいます。
インサイドアウト軌道の場合は最下点が背骨の真ん前ではなく右にずれてしまいます。
この場合、元の球位置がずれてしまっていることになるので、教科書どおりにボール位置をアレンジしても、思うような結果は得られないでしょう。
それほどに基本となるスイングは大事なのです。
今回ご紹介した傾斜地のボール位置は基本的なものですが、前提となる基本スイングがあってのお話なのです。
ゴルフ理論は色々なことがつながりを持っています。
こま切れな情報を得て、それをつないでも、かなりの確率で失敗するか、時間の大幅なロスになります。
もしそのようなことをお感じになっているなら、ぜひ「基本に悩まないスイング構築の仕方」を参考になさってください。
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