
色々調べてやってみたけど
なかなかスライス直らないんだよね

「振り遅れてないか」とか
「クラブが外から入ってないか」
みたいなことですよね

うん。それでグリップやアドレスを
工夫したり、フェースを返すように
意識したんだけど、なんかしっくり
こなくって・・・

それはもしかしたら
一生スライスが直らない振り方に
になっているからかもしれません
でも心配しなくて大丈夫です
理由も改善方法も簡単です!
というわけで今回は、「自分なりに調べて試してみたけどスライスが直らない人」に向けての記事となります。(もちろんまだ調べていない人にも、きっと得する情報です)
スライスに対する正しい理解と、どうすれば直るのかが分かりますので、ぜひ最後までご覧ください。
「一生スライスが直らない振り方」を理解するため、先に「誤解されがちな一般論」からお話します。
誤解されがちな一般論
一般論として広がっている情報も、説明不足などで誤解されて伝わっていることが、ゴルフには結構あります。
スライスの理由についてもそれはありますので、今一度ご確認を!
振り遅れてもスライスはしない
プロのレッスンでも振り遅れがスライスの原因としていることは珍しくありません。
振り遅れはインパクトで、構えた時より手が先、クラブが後からくる形です。

しかし、この形になるだけではスライスになりません。
これでスライスするのは「軌道は正しい」という前提があります。
(あるいは軌道がアウトサイドインの場合)
実際はフックも出ますし、プッシュアウト(右に真っすぐ)も出ます。
上図に「軌道」を加えたものを見てみましょう。
まずはフックになるパターン。

軌道に注目すると、インサイドアウトの度合いがきついのがこのパターン。
軌道に対してフェースが若干かぶった形となりフックが出ます。
次はプッシュアウトになるパターン。

軌道に注目すると、ややインサイドアウトがこのパターン。
軌道に対してフェースが直角に当たるとプッシュアウトが出ます。
つまり、
軌道いかんで球筋は変わる!
ということなので、「振り遅れるとスライスになる」は正しくありません。
次に、クラブが外から入るアウトサイドイン軌道についてはどうでしょう。
クラブが外から入ってもスライスはしない

クラブが外から入るアウトサイドイン軌道は上図をご参考にしていただきたいのですが、これもスライスだけではなくプルやフックも出ます。
今度は打つ時のクラブフェースの向きに注目してください。

フェースがややかぶるパターン。
軌道に対してフェースが直角に当たるとプル(左へ真っすぐ)が出ます。
次はフックになるパターン。

フェースが大きくかぶるパターン。
軌道に対してフェースがかぶって当たるとフックが出ます。
結局、軌道とフェースの関わりを見ないと正しい判断はできません。
さらに、フェースが開くだけでスライスするのか見ていきましょう。
フェースが開くだけではスライスしない
これも軌道により球筋は変わりますので、「フェースが開くだけでスライスする」は正確な表現ではありません。
まずはプッシュアウトになるスイングパターン。
再度、軌道にご注目。

インサイドアウトの軌道に対してフェースは直角なので球筋はプッシュアウトです。
最後にフックになるスイングパターン。

いくらフェースが開こうとも、強いインサイドアウト軌道でフェースが軌道に対してかぶればフックとなります。
以上のように、一般論として言われる「振り遅れ」「アウトサイドイン軌道」「フェースが開く」は、それだけではスライスにはなりません。
軌道とフェースの向きによる球筋の変化は、
「ゴルフスイングの超基本【考え方をマスター・7番アイアンでチェック】」をご参照ください。
スライスする理由は一つだけ
もう十分ご理解いただけたかと思いますが、スライスする理由は一つだけ。
軌道に対してフェースが開く
これが唯一の事実です。
<注意>打点はほぼスイートスポットに当たっているのが前提。
ポイントは「軌道に対して」です。
<注意>「飛球線に対して」ではありません。
この「軌道に対してフェースが開く」原因は、「クラブ」「グリップ」「アライメント」「スイングの仕方」が主なものですが、実は非常に重要なことでありながら、あまり語られないことがあります。
それが、「一生スライスが直らない振り方」があるということです。
スライスしか出ない振り方がある
実は一般論においてクラブは以下のように振られているのが前提になっています。

しかし、スライスでお困りの方は、フェース面とシャフトが一直線ではなく「くの字」で振ってしまう方がほとんどなのです。

この振り方の特徴は、軌道が正しいと常にフェースが(軌道に対し)開いた形となるため、ボールをどこにおいてもスライスしか出ないということです。
これが「一生スライスしか出ない振り方」です。

私もこのパターンかな?
でもなんでこうなっちゃうの?

原因はいくつかありますが
「自然な反応」とも言えます
ストレートなボールを打つには、軌道に対してフェース面を直角にしたいのですが、これをしようとすると「空気抵抗が最大」になります。

しかし特にドライバーなどは飛距離がほしいため速く振りたくなり、そのための「自然な反応」として抵抗を逃したくなるので下のような形になります。(ゴルフクラブの特性上の問題もありますが)

これが厄介なのは、自分ではこうなっていることに気づけないということです。
そのため多くの方は、ずっとスライスを直せないでいるのです。
(私がこれを知っているのは、計測器で数千件のお客様のスイングを見てきたからです)
「自然な反応」や「本能」だけではなかなか上手くいかないのがゴルフ。
なのでなるべく早い段階できちんとした基礎を学ぶことは確実に上達を早めます。

その「くの字」
直すにはどうすればいいの?

フェースローテーションを
覚えれば直りますよ
フェースローテーションは必要
フェースローテーションというのは、スイング中にクラブヘッドのフェースを開閉する動きのことを言いますが、軌道に対してフェースを直角にして、開かないまま(=フェースローテーションなしで)スイングはできないものでしょうか?
残念ながらそれはできません。
できるのバックスイングの途中、クラブが自分の方に折り返してくる寸前までです。
ここから先はフェースを軌道に対して開かないと、スイングはできません。
<注意>軌道に対しての話であり、体に対してではありません。

これ以上やろうとしても身体構造上無理です。
多い少ないの差はあっても、フェースローテーションは必ず起こるもの。
なので意識的か否かは別にして、開いたものは戻さないとスライスします。
開いたフェースを軌道に対して直角まで戻せないのが「くの字」のスイングの正体です。
あるいは「戻せる」けど「タイミングが遅すぎる」場合もあります。
ではこのフェース面は、クラブという道具から見て、どういう仕組みで変化するのか?
そこを見ていきましょう。
フェースローテーションの仕組み
「フェース面はシャフト軸を回すことで変化する」というのがクラブの仕組みです。
分かりやすく、「グリップと連動している」と覚えておきましょう。

上図グリップの向きが12時で構えて、1時(これは1例、とにかく右に回る)で振ってしまう。
これが「スライスしか出ない振り方」をクラブで説明したものです。
理屈は簡単だしフェースローテーション自体には力がいらないのも理解できると思います。
もう一つ別の表現をしてみます。
グリップに連動している「手」を見てみると、
左手→構えた時裏拳で、打つ時空手チョップ。
右手→構えた時ビンタで、打つ時空手チョップ。
この動きをしてしまうと、フェースが開き「くの字」ができスライスが出ます。
ちなみに構えた時から空手チョップにしたのが、「強いフックグリップ」とも言えます。
フェースローテーションを抑える意図を感じるグリップの仕方です。参考までに。
次にフェースローテーションを実際に感じ、体得するにはどうすればいいかのご説明です。
フェースローテーションを体得する
フェースローテーションが一番顕著に表れるのが「水平素振り」です。
新しい動作を覚える時には極端な動きをしてみるのがおすすめ。
動画を一つご紹介します。(この動画の是非とは関係ありません)
バックスイングでは右肘をたたむことでフェースは上を向き、フォローでは左肘をたたむことでフェースは下を向きます。
もしくはバックスイングで左腕を右に回すことでフェースは上を向き、切り返し後に左腕を左に回すことでフェースは下を向きます。
この素振りにおいては、フェースは軌道に対して必ず直角を超えるので、「くの字スイング」から脱却できます!
これをそのままスイングにする理論もありますが、実際はもう少しフェースローテーションを抑える方が方向性、安定感において有利となります。
ただ、今回は「スライスを直すため」なので、100%フェースローテーションを確認し体得できる「水平素振り」にぜひトライしてみてください。
そしてこのフェースローテーション。
手首をこねるような動きではダメで、左腕全体を回していくように行いましょう。
これを「アームローテーション」と言います。
つまり、
アームローテーションでフェースローテーションさせる
というのが正しいです。
手首を使うと、短いスパンで急激なフェースローテーションになり不安定。
腕(アーム)を使うと長いスパンでゆっくとしたフェースローテーションになるので安定するのです。
これでフェースローテーションさせるためのアームローテーションは体得できますが、これは「腕を振る」という意識ではなく、「腕は振られる」にすることでさらなる上達が望めます。
腕は正しく振られる
腕を振る意識は手打ちにつながります。
手打ちでも一時的にスライスしなくなりますが、飛距離が出にくく、方向性、安定感にも欠けるためおすすめしにくいです。
「腕は正しく振られるべき」ということを意識するだけで、腕力に頼らないいわゆるボディーターンでスイングしやすくなります。
正しい軌道を作るコツ
スライスの改善には軌道を正しくすることも大事。
ストレートボールを打つにはイントゥイン軌道が正しい軌道と言えます。
これを作るコツの話をします。
今回はアウトサイドイン軌道を直してイントゥイン軌道にする方法になります。
イントゥイン軌道は、ボールを中心に左右対称の弧を描くこと。

そもそもゴルフクラブ(特にドライバー)は軌道に対して開きやすい構造を持っているため、入門者のほとんどの人が右打出しのスライスになります。
それを左に打ちたいので軌道を外から入れることで球をつかまえようとしてしまい、アウトサイドインの軌道を手に入れてしまいます。
こうなるとボールを中心に左右対称の弧を描こうとしてもできないのが自分のベースとなるスイングになってしまいます。
本当は軌道ではなく、フェースの向きを最初に直すべきですが、本能でやるとここにはほぼ気づけないのです。
ではこれを修正します。
ボールを中心に振ると左右対称の弧を描けないのですから、仮想ボールを右に想定します。

仮想ボールの位置は右足の前を基準に、アウトサイドイン軌道がきつい方はより右に想定します。
その仮想ボールを中心に左右対称の弧を描くつもりで振ってみてください。
ほとんどの方に効果があったので、ぜひお試しを。
では最後に、グリップやアドレス、ボールの位置など、スライスしにくくする本当の基本をお伝えします。
スライス防止の本当の基本
◆グリップ
自分にとってのニュートラルよりもウィークにしない→フェースが返りにくいため
◆アドレス
肩を開かない→アウトサイドイン軌道になりやすいため
右肩を左肩より少し低くする→アウトサイドイン軌道になりにくいため
目安は「てんぷら(テンプラ)の真の原因と効く対策をどうぞ」の「アドレス」にあります
◆アライメント
左に向かない→正しく振るとアウトサイドイン軌道になるため
◆ボールの位置
左に置きすぎない→アウトサイドイン軌道になりやすいため
◆テークバック
フェースを開かない→インパクトでフェースを戻しにくいため
◆ハーフウェイバック
フェースを前傾角より開かない→インパクトでフェースを戻しにくいため
(ハーフウェイバックとはバックスイングでシャフトが地面と平行になったタイミングのこと)
◆トップ
フェース面を前(正面)に向かせない→インパクトでフェースを戻しにくいため
◆切り返し
クラブから動かさない→アウトサイドイン軌道になりやすいため
◆ハーフウェイダウン
フェースを前傾角より開かない→インパクトでフェースを戻しにくいため
(ハーフウェイダウンとはダウンスイングでシャフトが地面と平行になったタイミングのこと)

さらにシャフトの向きは③だとアウトサイドイン軌道になりやすく、②だとインサイドアウト軌道になりやすい。理想は①で、飛球線と平行。
◆インパクト
頭をアドレスの時より左(飛球線方向)に動かさない→フェースが開きやすいため
◆フォロー
フェースを前傾角より開かない→インパクトでフェースが開きやすいため
◆フィニッシュ
途中でやめない→結果としてフェースローテーション不足になりやすいため
フィニッシュを首に巻き付くくらいしっかりと取るとフェースローテーションが起こる
プロでも「しっかり最後まで振ることを心がけました」とインタビューなどで言っているのを耳にします。これは、フェースローテーションのこと以外にも軌道やヘッドスピードなどに影響を与えるため、シンプルですが効果的なアドバイスでもあります。
まとめ
- スライスの理由は一つで「軌道に対してフェースが開く」です。
- スライスが直らない振り方が存在し、それは「くの字」スイングです。
- 「水平素振り」はフェースローテーションが100%起こるため「くの字」は直せます。
- フェースローテーションはアームローテーションで起こしましょう。
- アドレス、グリップ、アライメントもおろそかにしないように。
こうして見てくると、知らずに損していることは多いのがゴルフです。
基本だけはぜひマスターしてくださいね。
追伸:たった2つのことを知るだけで、劇的に上達スピードを上げる
「基本に悩まないスイング構築の仕方」
早く知るほど効果が高いので、ぜひ今ご確認を!
最後までお読みいただきありがとうございました。
心おきなくゴルフが楽しめる世の中でありますように。
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