チーピンの原因と対策|グリップ?右手?下半身なの?・・・
チーピンが怖くて
クラブを思いきり
振れなくなっちゃった
防ごうとすると、かえって状況が
悪くなるんだよね
私は経験ないけど
なんかやっかいね
チーピンの原因は一つだけですが
直し方は・・・
「最初は右に行って、スライスとかしてたけど、練習してたらフックも出だした。
それが嫌で工夫してたら、なんかひどくなってきちゃった・・・」
こんなお悩みをお客様からよく聞きました。
さて、この人に何が起きたのでしょう。
- 最初は右に行って
→右に真っすぐならインサイドアウト軌道の可能性が高いです。
アウトサイドイン軌道では、右に真っすぐ打てません。 - スライスとかしてた
→フェイスが開くことがあった。 - 練習してたらフックも出だした
→手の動きで球をつかまえることを覚えた。 - それが嫌で工夫した
→左にいくのが嫌なので、右を向くようになり結果インサイドアウト軌道を増長し、チーピンが出るようになった。
もしくは球位置が段々右になり、やはりこれもインサイドアウト軌道が強くなる結果となった。
いかがでしょうか?
これは一例ですが、知らないうちにハマってしまうから厄介です。
本題に入ります。
チーピンとは
コントロールできていない、左に大きく曲がる球筋
のことを言います。
(麻雀から来ている言葉だそうです。)
打出し方向は問いません。(右、左、真ん中もあり。)
チーピンの出る原因
クラブヘッドの軌道に対し、フェイスが大きくかぶるため
これだけです。
この図の場合、軌道に対してフェイスが大きくかぶっているので、全て(①でも②でも③のタイミングでも)チーピンになります。
軌道に対するフェイスの向きが
・直角ならストレートボール
・ほんの少しかぶればドロー
・かぶるとフック
となります。
ちなみにこれを踏まえず、「身体の動きの間違え探し」をすると、対症療法的に一時的には良くなるものの、根本的な治療にはなりません。ノウハウコレクターになり、かえって時間をかけてしまうのはもったいないです。原因を明確にし、それに対し改善するのがおすすめです。
原因の追究
原因はたくさん考えられるから厄介です。
(原因はひとつと言っておきながら・・・ですが、真の原因は一つです。後できちんとご説明しますのでご了承ください。)
ひとつずつ見ていきましょう。
グリップ
◆フックグリップが強すぎませんか?
手はニュートラルのポジションに戻ろうとします。強いフックグリップはフェイスを返す方向に動きたがります。
(グリップのついては「ゴルフ グリップの握り方【基本はニュートラルグリップだけ】」をぜひご確認ください。)
◆グリッププレッシャーは一定でスイングできていますか?
インパクトでグリップを強く握ると、フェイスが急にかぶります。それを利用するテクニックはありますが、それにはそれに適したグリップであることが前提です。強いフックグリップではかぶる可能性がかなり高いです。
アドレス
◆ハンドファーストの度合いが強すぎませんか?
インパクトで、アドレスの位置より右の手の位置で打つと、フェイスがかぶります。
◆肩のラインが目標を指していませんか?
これをすると、飛球線に対し肩がかぶった形となり、正しくスイングするとインサイドアウト軌道になってしまいます。
目標より右に行った球がナイスショットなのに、「右に行っちゃった」と認識し「つかまえよう」としてしまいます。
これがフック、チーピンの元凶になる可能性が高いです。
アライメントはあなどれない、実は大きな問題で、プロもしばしばスティックなどを利用しチェックします。
◆右肩が下がりすぎていませんか?
この時点でスイングプレーンが右に傾き、インサイドアウト軌道の準備ができてしまっています。
ダフリも気になる方はこの可能性が高いので要注意です。
ボール位置
◆ボール位置が右すぎませんか?
クラブヘッドはほぼ円軌道を描きます。
ボールが右にあるほど強いインサイドアウト軌道で当たりやすくなります。
ということは、左に置くとインサイドアウト軌道では打てないとも言えます。
(ボール位置については「ゴルフ ボール位置で迷わない、唯一の理論!」をぜひ参考になさってください。)
バックスイング
◆インに引きすぎていませんか?
左腕が地面と平行になるころまで、身体の幅から手が横に出ないようにすると、かなり防げます。
それにはバックスイングの初期段階で、右肘をすぐには曲げないのが有効です。
渋野日向子選手の動画が分かりやすいと思います。
インに引きすぎると、ループさせない限りインサイドアウト軌道が強くなる確率が上がります。
トップ
左手首が手のひら側に折れていませんか?
特にフックグリップでこれをすると、かなりフェイスがかぶります。
最近そういう手首の使い方をする選手もいますが、注意が必要です。
ダウンスイング
◆右肩が下がっていませんか?
球を上げようとするとなりやすい形ですが、これも軸が右に傾くため、インサイドアウト軌道を強くしてしまいます。
◆左への重心移動が全くないということはありませんか?
あおり打ちになりやすく、上記同様の現象が起きます。
◆ハーフウェイダウン(シャフトが地面と平行になったタイミング)でシャフトは飛球線と平行(図①)になっていますか?
ヘッドが後方にあり、シャフトが飛球線に対し斜め(図②)になっていたら、インサイドアウト軌道になりやすいです。
インパクト
◆手を止める、手を返すなど、手先でフェースの向きをコントロールしようとしていませんか?
これ実はグリップの仕方で成否が出たりする技術です。
ウィークグリップ以外の人は注意してください。
球をつかまえるためのローテーションであれば、アームローテーションがおすすめです。
(アームローテーションとは腕を回旋させる動作です。主に左腕を反時計回りに回す結果、フェースローテーションが起き、球をつかまえる作用を生みます。)
こちらは急激にフェイスが返りにくく、長いスパンの中でフェイスをコントロールしていくので、チーピンでお困りの場合はいいです。
◆右肘が伸びていませんか?
インパクト後なら大変いいのですが、インパクトの時に伸ばしてしまうと、フェイスが返りやすくなってしまいます。
フォロー
打った後なので、どうしようもありません・・・。
ただこの時点で、フェイスが返りすぎていないかはチェックしましょう。
前傾角と同じから地面に対して垂直が目安となります。
原因に合った対策を
「原因に合った対策を」と「究極の直し方も一つだけ」は矛盾しているでしょうか?
ちょっと補足させてください。
上記の「原因の追究」において、明らかに原因が分かる場合は、その原因にたいしての対策を取ればOKです。
ただ多くは原因が限定できないのではないでしょうか?
そこでこういう表現になってしまうのですが、
チーピンの原因は「軌道に対してフェイスがかぶりすぎるため」
究極の直し方は「軌道とフェイスの向きを管理する」
ということです。
特効薬はなく、「軌道とフェイスの向きを管理する」ことを目的とした練習をしましょうということです。
例えば小さい振り幅のアプローチショットはどうでしょう?
その振り幅とスピードなら「軌道とフェイスの向きを管理する」ことができているので、チーピンにはならないでしょう。
それがどの振り幅とスピードまでなら可能でしょうか。
あやしくなったら、そこから「軌道とフェイスを管理する」ことができなくなっているということです。
一般的に言われるフェイスがかぶってしまう例を見てみましょう。
例えば「下半身(腰)が止まってしまうから引っかかる」というのはどうでしょうか?
それまで上手く打てていた人が、何かの拍子でこうなるならそれはありでしょう。
しかし実際は(スローモーションを見れば分かります)、特にドライバーにおいて、ダウンスイングで回してきた腰はインパクト前に止まり、ボールをヒットした後にそれを追うような形で再度回転していきます。(全員そうというわけではないですが、最近は特に多く見られます。)
参考に動画を貼っておきます。
(お急ぎの方は5:30~ご覧ください。)
他にもほとんど腰を使えない急斜面のショットではどうでしょう。
主に上半身と腕で打つしかありませんが、チーピンになるとは限りません。
「そうすると必ずそうなるわけではない」というものを省いていくと、真実が見えてきます。
練習方法
あらためて「軌道とフェイスの向きを管理する」練習をしましょう。
最初にやることは、「今日は軌道とフェイスの向きを管理する練習をする。」と言うことです。
やっているうちに他のことも気になって、浮気をしたら効果はでません。
いわゆる3時9時の振り幅で、軌道とフェースの向きを覚えます。
(3時9時の振り幅とは、シャフトが地面と平行になる位置とお考えください。)
その前に、ぜひ上記の「原因の追究」を全て理解した上でスタートしてください。
グリップ、アドレスは特にお願いします。
最初はピッチングウエッジでやりましょう。
バックスイングをしていき、シャフトが地面と平行になったタイミングで、飛球線に対しても平行になるようにしてください。これで軌道の基準ができます。
その時のフェースの向きは、上体の前傾角と同じ(引っかけが気になる場合は地面に垂直)にしてください。これでフェースの向きの基準ができます。
その形からクラブを振るのですが、きっかけは下半身で作ります。
方法は、腰を意識したり、膝を意識したり、色々ありますが、まずは右膝をわずかに左膝に寄せるのをきっかけにしてみてください。
その後は腰もしっかり回していきます。
おへそが目標を向くくらいまでです。
クラブを振るといっても、腕の力でクラブを動かさないでください。(これは手打ち。)
なぜダメなのかというと、「再現性が低い」、「パワーが出ない」のが主な理由です。
身体の回転で腕が振られる感じです。
よどみなく、スムーズに回転しましょう。
右向いて、左向くだけで上手く飛べば成功です。
見た目としては、上体の回転と腕の振りが完全に同調している感じです。
フォローではクラブヘッドが目標を突き刺すような形を経ます。
そこからさらに回転し、シャフトが地面と平行になったタイミングではフェースはここでも前傾角と同じが基準です。これでフォロー側のフェースの向きの基準ができました。
このような基準に対して振れるようにすることが、「軌道とフェイスの向きを管理する練習をする」ということです。
目的を持った練習が何より大事です。
これはいわばスイングの「お家」です。
分からなくなったらここに帰り、ここを基準に物事を考えていきます。
これができたらスイングを大きくしていきます。
それで「軌道とフェイスの向きを管理する」ことができるようになり、ひどいミスショットとさよならするのです。
まとめ
- チーピンの原因は「軌道に対してフェイスがかぶりすぎる」ためです。
- 根本的に直すには「軌道とフェイスの向きを管理する」練習しかありません。
- 即効性を謳うものには注意!自分の原因とずれていたら大変です。
- 地味でも確実に上達できる方法ならがんばって取り組みましょう。
ちなみにアウトサイドイン軌道のチーピンも直し方は一緒です。
「原因の追究」ではインサイドアウト軌道を取り上げましたが、フェースの向きに関しては同じなので参考にしてください。
なお、今回のお話は、自分のスイング軌道とフェースの向きを理解していることが前提になっています。きちんと知りたい、取り組みたい方は「練習器具」をおすすめします。
私はスイング理論の核の一つが「軌道とフェイスの向き」だと思っています。
他にも私の知りたい情報は全てこの練習器具で分かります。(数千件のお客様のデータを取ってきた経験上からのお話です)
自分で何回も使えるのがいいです。
(例えばショップで測って、現状把握はできたとしても、上手く直っているのかは、その都度確認していかないと分かりません。)
(ちなみにショップで使われる計測器は200~300万円、安いのだと、それでも数十万円はします。)
なので自分が自分にすすめる練習器具の第一候補は、今のところこれです。
目的のない、やみくもな練習は単なる運動になってしまいます。
明確な目的と、それを効率よく実現する練習で、上達するという快感を得ましょう!
今回は以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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心おきなくゴルフが楽しめる世の中でありますように。
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