最近ちょっと上手くなってきて
喜んでたんだけど、
フックするようになっちゃって
なかなか思うようには
いかないね
私も昔はスライスが悩みだった
けど、途中からフックで悩む
ようになったなー
そういったお客様もたくさん
いらっしゃいました
というわけで今回は、「フックを直すためのクラブ選びと技術」についてのお話です。
「フックの出る唯一の理屈」と合わせて、やさしく解説していきます。
フックの出る唯一の理屈
ご存知の方も多いと思いますが、それは、
軌道に対してフェースがかぶる
ということです。
図で見てみると、
注意点として、「飛球線」に対してではなく「軌道に対して」ということです。
なのでこれ↓でもフックが出ます。
フェースが飛球線に対して真っすぐ(直角)でも、軌道がインサイドアウトなので、軌道に対してフェースはかぶっているということです。
インサイドアウト軌道がきついほど、結果的にフェースのかぶりも大きくなります。
フックでお困りの場合
インサイドアウト軌道になって
いないかは確認必須です
もう一つ、軌道は上手くイントゥイン軌道になっていても、フェースがかぶるパターン。
(これももちろん軌道に対してフェースがかぶるということですが)
フックでお困りの場合
インパクトでフェースがかぶって
いないかのチェックも必須です
いずれにせよ「軌道に対してフェースがかぶる」がフックの出る唯一の理屈です。
ではこれを抑えるにはどういったクラブ選びをしたらよいでしょうか。
フックを抑えるクラブ選び
クラブ選びは極論すると、右に行きにくい(左に行きやすい)、左に行きにくい(右に行きやすい)特性のものがあります。
*クラブ製作時には必ず考慮されるポイントです。
フックを抑えるにはクラブに左に行きにくい要素を加えていきます。
フックを抑えるヘッド
フェース角、フェースプログレッション、ライ角、重心角、重心距離などを見ます。
フックしやすいヘッドの特徴は以下の通りです。
・フェース角がフック(クローズ)
(但し、精神的なことで言えば、オープンのものをそのまま打つと右に行ってしまう気がして、フェースを返してしまいフックになることがあります。)
・フェースプログレッションが小さい(グースが大きい)
上図の左の茶色いラインはシャフトの中心軸。
右の茶色いラインはリーディングエッジです。
この距離がフェースプログレッションで、いわゆるアイアンにおいてはグースネックと言われますが、表現は逆になります。
フェースプログレッションが大=グースが小さい
フェースプログレッションが小=グースが大きい
・ライ角がアップライト
・重心角が大きい
重心角はフェースの上向き加減を度数で表します。
・重心距離が短い
フックを抑えるヘッドをまとめると以下の通りです。
ただ、ウッドとアイアンでは見るべきポイントが少し異なりますので解説します。
<ウッド>
①フェース角→かぶってないか?
②フェースプログレッション→ウッドなのにグース(っぽく)になってないか?
③重心角→フェースが上に向きすぎてないか?
ライ角は、ウッドの場合ロフト角が少ないので、機能としての影響は少ないと考えます。
重心距離はカタログなどに載っていないため、調べないと分かりません。
(雑誌やヘッドスペックの特集などを参考にします)
<アイアン>
①フェースプログレッション→グースが強すぎないか?
②ライ角→アップライトすぎないか?
③重心距離→短かすぎないか?(ヘッドが小さすぎないか?)
フェース角はアイアンには使わない表現ですので無視します。
重心角はグースが大きいとほとんど大きくなるので、グース度で見ればOKです。
ウッドもアイアンも上記各3点をチェックしてみてください。
フックを抑えるシャフト
重さ、硬さ、調子などを見ます。
フックしやすいものは、
・軽すぎる
マイクラブのシャフト重量(もしくは全体重量)はご存知ですか?
男性で平均ヘッドスピードの方は
ドライバーシャフトで50g台
アイアンシャフトはスチールで90g台、カーボンなら全体重量で360g台(7番アイアン)
これより軽いと軽すぎると判断できます。
あるいはクラブセット内で、それだけ軽いのもフックしやすくなります。
・軟らかすぎる
シャフトの硬さ表示には統一基準がありません。
特にカーボンシャフトはものすごく硬さに差があります。
男性で平均ヘッドスピードの方はSRが基準でいいですが、硬さラベル(R・SR・S・Xなど)を過度に信用せず、実際に振ってみて、軟らかすぎないか確認してください。
・先調子
先調子は手元調子に比べヘッドが返しやすくなる傾向があります。
シャフト性能としては、手元調子の方がフックしにくいです。
*上図は分かりやすくするため、しなるポイントを極端に表現しています。実際は各調子の差は数センチと言われています。
シャフト選びについては「ドライバーのシャフト選びに迷わないための基礎知識」をご参照ください。
*トルクはシャフト重量と硬さでほぼ決まっていくので、ここでは触れません。
まとめますと以下の通りです。
フックを抑えるグリップ
フックしやすいグリップは
・細すぎる
太いと手首を使いにくいので、フックしにくくなるという理屈です。
<太くする方法2つご紹介します>
①グリップ交換時の両面テープを2重、3重・・・にする。
(差はわずかですが、人間はこの程度でも違いを感じ取れます。)
あるいはグリップの右手に当たる部分を両面テープの下巻きで太くするなどはポピュラーです。
*ほとんどのショップは言えば対応してくれます。
②グリップ自体を太いのに変える。
ただ、注意点があります。
太いというのは厚くなるので重いです。
そのためスペックが変化します。(極端に言えば違うクラブになる)
全体重量は重くなるが、バランスは軽くなる。
そうするとバランスの軽さが振りやすさになり、フック防止効果が出ない人もいます。
それをなんとかしようと、バランスを調整するためヘッドに鉛を貼ると、今度はさらに全体重量が増してしまう・・・。
そしてシャフトが軟らかくなる(←フックする要素)
他のクラブ(番手)とのバランスも壊れて、全体的に調子が悪くなる・・・。
慎重にことをすすめないと、わけがわからなくなります。
個人的には(&お客様を見てきて)この方法は対症療法的であるため、極端に太くするのはおすすめしにくいです。
フックを直す技術
道具で解決できないと、技術の改善が必要です。
グリップ・アドレス・軌道とフェースの向きを見ていきます。
グリップで直す
・フックグリップになっていないかチェックします。
・左手の甲が正面(近く)を向いている。
・右手を下から握っている。
手はニュートラルの方向に戻ろうとするため、この2つはいずれもフェースを左に向けやすくします。
詳しい理由とグリップの握り方については「ゴルフ グリップの握り方【基本はニュートラルグリップだけ】」をご参照ください。
もう一つチェックしていただきたいこと。
・インパクトでグリップを握りしめていないか?
普段通りグリップした状態から右手は離し、左手をギュッと握りしめてみてください。
その時フェースの向きが左に向きませんでしたか?
これでフェースがかぶりフックの原因になっている方も多いです。
グリッププレッシャーを変えずにスイングしてみてください。
*手打ちになっていると、これがなかなかできません。
アドレスで直す
肩のラインと前傾角をチェックします。
・肩のラインが目標方向に向いていませんか?
肩のラインは軌道に連動しています。
肩が目標方向を指していると軌道はインサイドアウト。
クラブフェースを目標に向けて構えると軌道に対しフェースがかぶる形となります。
つまりアドレスですでにフックを打つための構えをしていることになります。
大げさに表現するとこんな感じです。↓
肩は目標より左(飛球線と平行)を指すようにしましょう。
きちんとやるならアライメントスティックなどの練習器具を使うことをおすすめします。
*プロでも知らないうちにずれて、調子を崩すことがあります。これは強くおすすめします。
・前傾角が深くなり過ぎていませんか?
前傾角が深いとクラブヘッドのトゥが上がり、フェース面が左を向きます。
きちんと目標方向にフェース面を向けていてもそれは錯覚で、面は左を向いています。
つまりこれも軌道に対してフェースがかぶっているアドレスで、フックが出るのが自然です。
詳しくは「ライ角とは?【身長との関係アップライト・フラットも解説】」でご確認ください。
軌道とフェースの向きで直す
スイングの練習とは極論するとこの「軌道とフェースの向き」を管理することです。
フックしないためのポイントを見てみましょう。
スイングがアップライトとかフラットといったことは、考え方や好みが影響します。
しかしいずれの場合もハーフウェイダウンのポジションの考え方を知っておいて損はないです。
ハーフウェイダウンとはトップからクラブを振り下ろしてきて、シャフトが地面と平行になったタイミングのことです。
この時下図の②になると、インサイドアウト軌道になってフックする確率が上がります。
まずは素振りで、ハーフウェイダウンで止めてみて確認してください。
*①はイントゥイン軌道のストレートボール、③はアウトサイドインの軌道のスライスが出やすくなります。(フェースの向きにより球筋は変わりますが)
次にフェースの向きの管理ですが、これもハーフウェイダウンで確認します。
基準はこの時のフェースの向きを前傾角と同じにすることです。
基準より下を向くとフェースはかぶりフックしやすくなり、上を向くとフェースは開きスライスしやすくなります。
感覚と実際はズレがあるので、フックでお困りの場合はフェースを上向き加減に調整してください。
フェース向きのチェックはフォロー側でも見ます。
ハーフウェイダウンと逆のポジションでも同様に、前傾角と同じが基準です。
フックでお困りの場合はフェース面が前傾角を超えないくらいで調整してみてください。
このようにフェース向きの管理はインパクトの瞬間で考えるのではなく、ハーフウェイダウンからフォローといった幅の中でとらえていった方が球筋が安定します。
インパクトを点でとらえるのではなく、スイングの一部分と意識するのがコツです。
まとめ
- フックが出る唯一の理屈は「軌道に対してフェースがかぶる」です。
- マイクラブがフックしやすいか確認しましょう。
- グリップがフックすぎないか注意しましょう。
- アドレスでフックを打つ準備をしてしまっていないか確認しましょう。
- ハーフウェイダウンでの基本ポジションを理解しましょう。
今回は以上となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
心おきなくゴルフが楽しめる世の中でありますように。
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