「ゴルフ、久しぶりに(5年とか10年とかぶりに)始めようかな」
「シニア世代に入ったけど、誘ってくれる人もいるので、ゴルフやってみようかな」
クラブはどんなものが
いいんだろう?
シニア向けとかあるの?
クラブ選びは
上達を大きく左右します
注意すべきことと
おすすめクラブも
ご紹介しますね
本当の基本は上達を裏切りません。
とにかく「安く早く上達するための基本」を知りたい方はこちらをどうぞ!
今回は、かなりのブランクがある方と、いわゆるシニア世代の方に絞ったアドバイスになります。
*用語の解説も入れていきますので、多少長くなることをご了承ください。
クラブ選びの基本は「自分に合っているもの」
クラブ選びの基本は「自分に合っているもの」です。
身長や体重などは実はあまり関係なく、体力やパワーに合わせます。
(力よりスピードを考慮)
(ご経験が長い場合はその他に「お悩み」や「打ち方」、「今まで使ってきたクラブ」等を考慮して選びます。)
ただ、久しぶりに再開するとか、シニアになって始めるといった場合、この「合っている」ということ自体が分からないのが正しいです。
(ゴルフにとっての体力やパワーが客観的に計測できない)
(昔は握力等を参考にするという考えもありましたが、今はほとんどこれを考慮しなくなりました)
ではどうすればいいのでしょうか?
クラブ選びの応用は「それを使う弊害がないか?」
初めてやるのに、あるいはブランクが長すぎる場合、「合っているか」という基準で選ぶことがそもそもできない、というお話をしました。
それができない場合は、「それを使う弊害はないか?」を考えます。
主なチェックポイントは5つあります。
①重すぎないか
②硬すぎないか
③短すぎないか
④ロフトが立ちすぎていないか
⑤球のつかまりが悪いヘッドではないか
それぞれの弊害をご説明します。
①重すぎ→
・疲れる
(数球なら打てても、18ホール回るとその差が大きく出ます)
・オーバースイングになる
(オーバースイングとはクラブを振り上げた時、それが大きくなり過ぎることを言います。ボールを上手く当てることが困難になることがあり、いい意味で使われることは少ないです)
・ダフル
(ダフルとはボールを打つ前に地面を打ってしまうことです)
・振り遅れる
(振り遅れるとボールは右に飛びやすくなります)
②硬すぎ→
・球が上がらない、つかまらない
(シャフトの戻りを使えないとこういうことが起こります)
(*シャフトとはゴルフクラブの柄の部分です)
③短すぎ→
・ヘッドスピードが出ない
(クラブの長さはヘッドスピードを上げる一番の要素です)
(*ヘッドスピードとは、クラブを振った時のインパクト辺りのスピードを数値で表したものです)
・アドレスがしんどい
(年齢とともに上体を前傾しにくくなるため、プロでも長くする場合があります)
(*アドレスとは構えとほぼ同義です)
④ロフトが立ちすぎ→
・球が上がらない、つかまらない
(*ロフトとはクラブヘッドの打つ面=フェース面の上向きの角度のことです)
(ヘッドスピードが遅いと、ロフトの効果を借りないと球が上がりません。つかまりにも影響するのですが、難しくなるのでここでは省きます)
ただしアイアンについては
ロフトを立て重心を低くすることで
飛距離重視のクラブを作ります
⑤球のつかまりが悪いヘッド→
・自分でつかまえようとして、悪いスイングを知らず知らずのうちに身に付けてしまう
(*つかまりが悪いヘッドとは、クラブヘッドをターンさせようとしてもその反応が鈍いものを言います。多くは右に飛んでしまうミスになります)
大多数の人は、この年齢になると体力的な衰えや身体の硬さがでてきます。
(20代、30代と同じというわけにはいきません)
そこを補うという意味で、上記のことを考慮しクラブを選んでいきます。
具体的な基準は以下の通りです。
①重さ
基準=ドライバーで300g(45インチ)
それより長ければ軽く、短ければ重く、が基準になります。
(45.5=290g・46=280g・44.5=310g、といった感じ)
(現状の既製品は45.5インチ前後が多く、46インチ前後は長め、45インチ前後は短めと判断するのが無難です。)
普通、クラブの長さは
0.25インチ刻みで表示されます
シニアではこの重さを大きく超えないのが目安となります。
*ちなみに軽すぎる弊害もあります。それは安定感を欠く、再現性が低いなどです。
そういったことからも、この長さに対する重量は参考にすべき数値です。
②硬さ
基準=R
Rはレギュラーの略で、硬いのはS(スティッフの略)です。
その中間のSRというのも物によってはあります。
硬すぎると自分のパワーでしならせることが出来なくなり、シャフトが単なる棒になります。
(つまり自分のスピードで適度にしなる硬さが、「自分に合っている」基準になります)
その影響で球の上がりとつかまりが悪くなります。
硬ければ飛ぶのではありません
硬いものをしならせるパワーがあるから飛ぶというのが正しいです。
ただ、シャフトの硬さには統一基準がなくメーカーの意図がそのクラブに反映されており、「信じて使う」という考え方も必要となります。
③長さ
基準=ドライバーで45.75インチ前後
元々、クラブの長さが色々あるのはヘッドスピードを変えるためです。
長い方が飛ぶ理屈です。
(ただ長すぎると振りにくさが勝り、ヘッドスピードが落ちることがあります)
クラブで飛ばしたいシニアは、ある程度長いものを使ってヘッドスピードを上げます。
これが一番科学的です。
どうしても長すぎると感じる場合は短く持つ手がありますが、短いものは長くはできません。
プロは短いものを
使うことがありますが
それは自分のパワーで
飛ばせるからです
ただ真似るというのは危険です。
*ちなみにアイアンの長さは、あまり気にしなくて問題ないでしょう。
ドライバーほど長さの違いはありません。
(軽量のカーボンシャフトは概ね長めになっています)
④ロフト(角)
基準=ドライバーで10.5°前後
飛びの3要素(飛距離を決定してしまうもの)というのがあり、「初速・打出し角・スピン量」を言います。
ロフトは特に打出し角とスピン量に影響するため無視できません。
*ただしロフトも表示ロフトと実際のロフトが違っているものがあるのが真実です。
硬さと同様、信じて使わざるを得ないことは否めません。
(作り手も、悪気があってやっているものではありません)
硬さにせよロフトにせよ、初めて使ったものがその人の基準になります。
ある程度経験が長くなったら、ベターのものを求めて、器具を使ってロフト角や硬さ(目安としての振動数)を測ってクラブ選びにこだわっていくのもありだと思います。
「いいスイングをした時にいい球が出る」のが合っているクラブと言えますので、信じたクラブでいい球が出るスイングを作るという視点も必要です。
⑤ヘッド
基準=つかまりのいいヘッド
これは初心者の方には判断するのが難しいです。
なぜならここに関わる要素がたくさんあるからです。
(*フェース角、ライ角、フェースプログレッション、重心角、重心距離、重心深度などが関わってきます)
ただここに関してはカタログの説明を参考にして大丈夫です。
(「○○でつかまりを良くしています。」などの表現です)
以上が具体的なおすすめの基準になります。
本数は何本必要か
選び方のイメージはできたけど、
本数は何本必要かな?
ルール上は14本が上限です
少ないのはかまいませんが
私は14本に近い本数でのプレーを
おすすめしています
細かい理由が気になる方はぜひ「ゴルフ クラブセッティングの仕方・・・」をご確認ください。
中古と新品ではどちらがいいか
中古と新品ではどうかな?
予算のこともあるし
私は新品をおすすめしています
クラブは毎年(今は2年に1度が多い)進化しています。
つまり物としては新しい方が優れていると言えます。(企業努力の為)
(ただ、ご経験の長い方は自分のクラブでの慣れが優位性になることがあり、必ずしも新しいものがいい=合っているとは言えないことがあります)
進化の恩恵を受けたいのですが、中古のしかも古いものではそれは叶いません。
あとクラブセッティングにおいて一番重要な「統一感」を持たせることが困難です。
(統一感とは、どの番手も同じ感覚で振れるように、長さが短くなるにしたがって段々重くなる設計になっていることです。その他にもシャフトの硬さや調子といったことも関係します)
(中古でも新しいもので、元々セットで売っているものはこの限りではありません)
中古クラブは現実問題として、なかなか同じクラブ(統一感のある)でのセッティングが見つかりません。
(どこかで妥協が入る=ベストのおすすめではない)
古いクラブはグリップの消耗が
激しいものが多いのも難点です
例えば、14本のグリップ交換をするとなると結構な値段になります。
(例:グリップ1000円×工賃350円×14本=18900円)
(グリップ交換の代金は物により、店により変わります。上記はあくまで一例です)
この値段を含めて考えると、中古クラブでもお値段がかえって高くなる場合があります。
もう一つ知っておくべきことは、クラブの進化に伴って、スイング理論も変化するということ。
古いクラブを使って、最新のスイング理論を試しても、上手くいかないことが出てきます。
それでかえって迷ってしまったり、上達を遅くする原因にもなります。
こういったことから結局は新品の方が損しない選択と判断しています。
値段について
でも値段がやっぱり
高くなるよね
ここは考え方によって
結構変わるので
お伝えしておきます
クラブをフルセットで買うと3万円~30万円が目安となります。
(高いのはまだまだあります)
値段を決めている要素は、
・素材(アルミ、ステンレス、軟鉄、チタン、マレージング、スチール、カーボン・・・)
・精巧度(重量、バランス、角度・・・)
・メーカー(メジャー、マイナー・・・)
・構造の複雑性
といったことが主なところです。
さらに詳しく知りたい方は「ゴルフクラブ「値段の違いは何の違い?」に初心者でも分かるように解説」をご覧ください。
それにしても結構値段に差がありますね。
そしてこのクラブセット、3万円と8万円前後は意外と商品があります。
有名な人気商品だと30万円コースとかになるのですが、不思議なのは、この間の価格帯があまり見当たらないということ。
値段別の特徴を確認してみましょう。
・3万円程のセット
=ある程度若い方をターゲットにした、入門者向けクラブです。
最大の特徴は重いことです。
ゴルフクラブは軽いものを作るのにはお金がかかるためです。
お付き合いで(自分はやりたくないけど)どうしても必要な方にはおすすめです。
ゴルフができないわけでは決してありません。
ただシニア世代には重すぎておすすめできません。
・8万円程のセット
=どちらかと言えば若い方向けです。
3万円クラスよりは軽いものが出てきます。
素材も少し良くなり精巧度も増します。
有名メーカーからも出ています。
シニア向けの有名、人気商品よりは結構重いため、注意が必要です。
・30万円程のセット
=シニア向けの物が多くなります。
(厳密にはセット売りではなく、バラ売りの物をセット=集めていきます)
素材も良くなり、精巧度も高いです。
安心して使え、おすすめです。
30万円はちょっと高いな
初心者が使ってもいいの?
使っていけないことは
全くありません
ただちょっと気にかけても
いいことがあります
「ちょっと気にかけていいこと」というのは、周りの環境です。
どんな方と一緒にゴルフをされますか?
ゴルフというのは少し見栄とか自慢といった要素があります。
あなたが高額なクラブを持ったとして、周りの目はどんな感じでしょうか。
嫌味とか言われそうですか?
「そんなこと全然気にしない」という方は関係ないのですが、ちょっと気になるかなという方には、「機能はいいのに超メジャーではない商品」という選択があります。
それを含めておすすめ商品をご紹介しましょう。
おすすめ商品
一番のおすすめは、とにかく実績の高いロング(&ベスト)セラー商品
・ダンロップ ゼクシオ12
こんなに長きにわたって売れ続けるクラブは他にありません。
実績をともなわないとすたれるのがゴルフクラブなので、これは安心して使えます。
もし合わない方がいるとすれば、ご経験が長く、重いクラブを使ってきたという方です。
さらに軽量の「ゼクシオ プライム」もありますが、よほど体力の低下が気にならなければ通常のゼクシオの方で大丈夫です。
クラブ10本、キャディーバッグなしでの値段です。
2番目は、これが「超メジャーなメーカーではないが機能がいい商品」
・パワービルト スーパーモメンタム グレードワン
超メジャーではないと言っても、昔は誰でも知っているメーカーでした。
クラブ13本、キャディーバッグ付きでのお値段です。
クラブの基本性能を比較するとその価値がよく分かります。
上記の表は
ゼクシオ=ゼクシオ12
PB=パワービルト スーパーモメンタム グレードワン
RBZ=テーラーメイド RBZ(ロケットボールズ)スピードライト
を表しています。
RBZは参考価格99000円(クラブ10本、ヘッドカバー、キャディーバッグ付き)の商品です。
比較的若い方向けのものなので、比較しやすいので選択しました。
<表の数値の解説>
・長さは7I(7番アイアン)比較で37.25インチでみな同じ。
1W、5Wについても0.5インチの差なので問題ないです。
・重さはRBZが他の2つより重いのが分かります。
ゴルフクラブは10g差があると
かなり違うと判断します
PBがゼクシオなみに軽いのが注目ポイントです。
(5Wはゼクシオがさすがに軽いです)
・ロフト角は7番アイアンに差があります。
ゼクシオで28°とかなり立っている(ストロングロフト)のに、PBはさらに3°(一番手程)立っています。
意図は、「番手の割に飛ぶ」ということで、トリック的な感じを受けるかもしれません。
ただ、9IとPWの間に10I(10番アイアン)を入れている気づかいがあり評価できます。
「パワービルト スーパーモメンタム グレードワン」はおすすめの条件をすべて備えたクラブです。
まとめてみます。
・ドライバーは45.5インチで284gと基準値290gより軽量
・ドライバーのロフト角も基準値の10.5°
・7番アイアンも37.25インチで363gとゼクシオ同様に軽い
・7番アイアンのロフト角は25°と飛びを意識した設計
周りの環境、値段を考慮して選ぶならおすすめのセットです。
まとめ
- クラブ選びを間違うと上達が遅れます。
- オーバースペック(重すぎ、硬すぎ等)に注意です。
- 安いものは、重くて硬いので避けましょう。
- 周りの環境を考えて、気持ちよく使えるレベルの物を選びましょう。
間違ったクラブ選びは、ゴルフを必要以上に難しくし、上達を遅らせます。
私が1万人以上接客をしてきた中で、非常に多くの方がこの罠にはまっています。
「もらい物」とか
「色々なクラブが混じっている」
場合は特に注意が必要です
今回ご紹介した選び方を参考にしていただければ、そういった状況は必ず避けられます。
知っててやらないのは本当に損してしまいます。
限られた人生の時間の中で、効率良く上達し、満足感を最大限に高めていただけたらと思います。
今回は以上となりますが、最短距離で上達したい方はゴルフスクールがおすすめです。
結果の出し方を熟知しているのはやはりここ↓
なぜゴルフスクールは上達が早くなるのか?は、
「ゴルフ 上達した人に見る3つの共通点【クラフトマンを経て見えた真実】」をご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
心おきなくゴルフが楽しめる世の中でありますように。
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