シャフトって、気にしないと
いけないのかな?
純正がどうとか、
カスタムがいいとか聞くけど。
初心者の方は初心者の方の
選ぶポイントがありますよ。
技術レベルが上がってくると
選ぶポイントは変わってきます。
入門者の方や、経験の浅い方は、「これからスイングを作っていく」という段階です。
この段階においては、「合っているシャフトを探す」というより「それ(そのシャフト)に合わせていくことで、いいスイングを作る 」という発想の方が、長い目で見た時に有利になります。
(その根拠は、私は約32年間で数千件のお客様のスイングを見て、データ計測をした経験があるからです。つまり「体験談」ということです。)
では具体的に何に気を付けてシャフトを選べばいいのでしょうか?
シャフト選びのコツ
それは、影響度の大きいところから攻めていくのがコツ です。
重さ→硬さ→調子→トルク(ねじれ)
の順です。
(長さの影響も大ですが、ここでは省きます。)
<解説>
シャフトというのは、基本的には重いと硬くなりトルクが小さくなります。
逆に軽いと軟らかくなりトルクが大きくなります。(連動している。)
そのため重さから決めていくと、あまり外すことがないのです。
*トルクの意味は後述します。
なので重さを決めましょう!
重さを決める。
重すぎるとヘッドスピードが落ちます。
軽すぎると安定しません。
でもヘッドスピードは落としたくないし、安定もさせたい。
両立させるにはどうしたら良いか?
そこで言われるようになったのが、「振り切れる範囲で重いもの」という表現です。
それを探すのが「重さのフィッティング」です。
ヘッドスピードを測って重さを決めましょう。
男性でヘッドスピードが平均くらいであれば、ドライバーで50g台がそれ(振り切れる範囲で重いもの)にあたります。
ただこれは科学的に証明されているわけではありません。
(すべての人が同じ結果になるわけではない)
恐らくゴルフの長い歴史からくる経験法則もあるでしょう。
それでもなんの基準もないと、選びにくいものですし、多くの方が当てはまるのも事実です。
(ちなみにシャフトというのは10g変わると多くの人が違いを実感できるため、50g台とか60g台とかいった表現を使います。)
次に硬さを合わせます。「硬さのフィッティング」です。
硬さを決める。
シャフトというのは単なる棒ではありません。
しなって、戻って、ねじれるものです。
その運動を起こすからこそシャフトの価値があり、特性が発揮されるのです。
あなたがスイングした時、シャフトは適度にしなっていますか?
(別の言い方をすれば、その硬さをしならせるだけのヘッドスピードがあるかということです。)
しなっていないとすれば、単なる棒になっている可能性が高く、それだとどのシャフトを使っても一緒という、残念なことになってしまいます。
余談ですが、お客様はよく「硬い方がいいの?」とか「硬い方が飛ぶの?」と質問されました。
「硬いものをしならせることができるパワーがあるなら、硬い方がいいし、飛ぶ」ということです。
そのパワー(正しくはヘッドスピード)がなければ飛ばないということになります。
硬すぎるシャフトのメリットはないと思います。
大前提として、
硬さには統一基準がありません。
たとえ同じメーカーだったとしてもです。
なので、硬さを先に選んでしまうと、間違える確率が上がるのです。
(大まかに言えば、同じ硬さ表示でも、重い方が硬く軽い方が軟らかいです。)(例外はあり)
男性でヘッドスピードが平均くらいであれば、SRが普通です。
しかし、明らかに振りづらい、当たりづらいのであれば、RやSにしてもいいでしょう。
それが、わざわざ試打してフィッティングする理由でもあります。
ラベル(RとかSとかSRとか)にこだわらなくて大丈夫です。
次は調子についてです。
調子を決める。
調子とは
シャフトをしならせた時の一番しなる場所。
釣りをやる方は分かりやすいと思います。(やらない人はごめんなさい)
竿の先がしなるか、真ん中がしなるか・・・みたいなことです。
ゴルフでは主に、先調子、中調子、(手)元調子の3種類があります。
(先中とか中元とかダブルキックとかもあります。)
ただ実際にはこんなに極端なことではなく、中調子を中心に各調子は5㎝程のずれです。
調子の選び方は色々あります。
ただ最初のうちは、中調子を選びましょう。
これで高さも飛距離も出ます。
そしてそれが実現できるのが癖のないいいスイングです。
癖が強いのが一概に悪いとは言えませんが、アイアンやフェアウェイウッドが苦手になるケースを私はたくさん見てきました。
「基本」というのは何事においても重要だと思います。
それを習得しやすいがための「中調子」ということです。
カスタムシャフトを含め、個性が強いシャフトは、個性の強いスイングになりやすくスイングを作っていく段階においてはおすすめしにくいものです。
(上級者の方にはこの考え方を採用しません。)
(カスタムシャフトの全てが個性が強いわけではありません。)
一応ご説明しておきますが、
純正=そのクラブのために(そのクラブの特性が一番発揮できるように)クラブメーカー、もしくはクラブメーカーとシャフトメーカーが共同で開発したシャフトです。
ターゲットは幅広く、いわゆる「やさしい」シャフトです。
カスタム=純正以外のシャフトのことで、各シャフトメーカーが色々な特性を考えて作ったシャフトです。
「先が走る」とか「粘りが強い」など、個性が強くなるのが一般的です。
ターゲットは狭くなりますが合えば大きな武器になります。
重複しますが、クラブがスイングを作ってしまう要素があることは覚えておいてください。
また、中調子は商品がたくさんあって、色々選べるのもいいところです。
ちなみに調子は弾道の高さで選んだり、スイングのタイプ(タメができるとかできないとか)で選ぶことがあります。
先調子は球が上がりやすく、タメのできる人向き。
元調子は弾道が抑えられて、タメができない人向きというのが一般論です。
が、必ずそうなると思い込まないでください。
(ヘッドスピードやスイングのタイプで変わるため)
思い込むのではなく、自分にとって都合のいい方を取るだけのことです。
目的を誤ると選択をミスします。
(このあたりのお話は、中、上級者の方向けです。)
最後はトルクについて。
トルクを決める。
トルクというのはシャフトのねじれの強さです。
雑巾をしぼる要領でシャフトをしぼった時の、戻ろうとする力みたいなものです。
ヘッドスピードが速い上級者の方はトルクの小さい(ねじれない)ものを、ヘッドスピードが遅い初、中級者の方はトルクの大きい(ねじれる)ものを使う傾向があります。
これもお客様から「トルクって小さい方が曲がらないの?」とよく聞かれました。
曲がり幅を抑えるだけならそれも正しいのかもしれません。
でも、例えばプッシュアウトしてOBの球が、曲がり幅を抑えたところで、どうしようもありません。
それはオーバースペックなのかもしれないのです。
トルクが少なすぎて球がつかまっていない可能性があります。
なのでトルクは小さい方を選ぶのではなく、あったものを選ぶべきです。
トルクはよく車のハンドルの「あそび」にたとえられます。
F1ドライバーなのか、初心者マークの運転者なのか。
F1の車のハンドルは、あそびが大きかったら勝負にならないでしょう。
そしてあそびのないハンドルを操る技術があります。
F1に初心者マークの人が乗ったら、逆に不安定な走行になるでしょう。
敏感に反応するハンドルを操る技術がありません。
理屈としては、こういったことになります。
これだけお話してなんなのですが、
トルクというのは、最初は無視していただいても大丈夫です。
なぜならシャフトは、トルクを設定して作るというより、作った結果そうなったという方が正しいくらいだからです。
例えば、重くて硬いシャフトを作ったらその結果、トルクは小さくなった、といった具合です。(例外はありますが、基本的な考えということです。)
つまり上記の順序どおり選んでくると、トルクは自然にいいところに落ち着くようになっているのです。
まとめ
- クラブ(シャフト)はその人のスイングを作るという側面があります。
- 影響の出やすいところから順番に選びましょう。
- スイングを作っていく段階においては純正の方が安心です。
- 普通のヘッドスピードがあれば50g台のSRが基準となります。
- 本質(結果がいい)を見極め、細かくなり過ぎないようにしましょう。
今回は以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
心おきなくゴルフが楽しめる世の中でありますように。
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